外宮の入口付近には防火のためにつくられた水路があり、そこに「火除橋」という小さな橋がかかっていて、この橋の手前左側にある檜製の案内板には、御祭神である豊受大神について「豊受大御神はお米をはじめ衣食住の恵みをお与えくださる産業の守護神です。約千五百年前の雄略天皇の御代に丹波国から天照大御神のお食事をつかさどる御饌都神としてお迎え申し上げました。」と書かれています。
　豊受大神が天照大神の御饌都神として外宮にご鎮座されてから、千五百年以上もの間、雨の日も風の日も暴風雨であっても一日も休むことなく、御饌殿において天照大神にお食事である神饌（御饌）を奉る『日別朝夕大御饌祭』が朝と夕べに続けられてきました。
　幼い頃より「外宮さん」と親しみをこめて呼んできた豊受大神宮に祭られている豊受大神はどのような神さまで、いつどのような所から、なぜこの伊勢の地に遷られることになったのか、これらについて丹後地方にも何度か出向き、調べて体感したことを掲載しました。（編者）